2006年 05月 07日 ( 1 )

zinedine zidane

僕が彼を観たのは98年のWCだった。
その頃は心の中で「ブラジル応援」ってな感じでしたので、決勝戦、3−0でフランスが勝つなどとは思ってなかった。
けれど、決勝でCKからヘッド2発を叩き込んだzidaneは強烈に印象を残した。
その後は中田英寿が移籍したセリエAの試合を観ていましたが、その頃からzidaneはエレガントな雰囲気を醸し出してました。
その後、EURO2000でのzidaneのプレーは、彼のプレーを語る時に良く使われる「エレガント」な立ち振る舞いで、観客も、味方選手も、相手選手も魅了していた。

今をときめくロナウジーニョにも言える事だが、時間の感覚が違うように観える。
テクニシャンは沢山居る。
けれど、zidaneは自分だけでなく、相手の時間感覚を混乱させ、自分の時間感覚世界に引きずり込むってな感じを受けてる。
何気ない切り返しも、何気ないパスも、相手DFの位置関係を見ると「奪われる」って思っても奪われない。
きっとその動きのタイミングをずらしている。
もしくは「ずれている」のだと思う。
ボールをトラップしたその直後に「シザース」を組み入れ、相手DFが躊躇した瞬間には次の動作(パス、ドリブル、シュート)は始まっている、もしくは完了している。
相手の時間軸をずらすから、あえて忙しい動きは必要ないのだ。
サンバのリズムでもラテンのリズムでもない。
彼は音楽の常套の4拍子から、急にワルツを舞い、3拍子に変調するのだ。
16分音符を奏でるのではなく、逆に動きはスローに映るから、相手にしたらたまったモノではないのだ。
しかも、ここぞのタイミングの一瞬だけ。

今後も色々なテクニシャンは出現する、筈で在る。
僕自身、zidane以降はしばらく偉大な選手は出現しないと思っていた。
まして、現代のようにフィジカルとスピードが重要視されるサッカー界では、ファンタジスタは出現しないと思っていたけれど、ロナウジーニョは現れ、メッシ、C・ロナウド、ルーニーがあとに続くだろう。
それはそれで喜びであるが、zidaneのような選手はきっともう、現れないように思う。

zidaneの代名詞でも在る「マルセイユ・ルーレット」は、実は僕も小学校の頃から得意としていた。
俊輔も、他のテクニック系の選手はよく使う。
僕がzidaneを異端扱いするプレーは、実は「ボールに触れずに相手をケムに巻くプレー」だ。
2度ほど目にした事が在る。
ユーロ2000だったと思う。
前から来るボールを受けに前進するzidaneを左右後方から挟み込みに来る相手選手2人を彼はボールに触れる事無く、上半身を軽く動かし、ボールをスルーしてドリブルで抜きさったプレー。
相手DF2枚は、上半身の動きの後にはzidaneの後ろ姿を観ていた。
もう一つはクラブチームだったと思う、きっとユーベの頃。
右斜め後方から送られたパス。
右斜め前方、左斜め後方から相手DFが鋏みに来た瞬間、zidaneは肩を軽く動かし、ボールを触らなかった。
その肩の動きだけでボールの軌道を変えずスルーし、追いかけたzidaneの後には、正面衝突する2人のDF。
草サッカーではない。相手DFも一流の選手なのに。
次元が違うってのはこう言う事だと思ったそのプレーを今でも鮮明に思い出す。

そんなzidaneが06WCでプレイヤーとしての引退を表明した。

確かに優勝候補はブラジルだろう。
けれど、僕はフランスの試合を全て観たいし、保存出来る限り保存したく思う。
全試合「観たい」のは言うまでも無いのだけれど。

僕はきっとTV画面の中のzidaneを可能な限り探すだろう。
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by trequartista5 | 2006-05-07 15:49 | 06 WCに向けて!